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M&Aプラットフォームの手数料体系を完全解説
プラットフォーム比較

M&Aプラットフォームの手数料体系を完全解説

10分

M&Aの手数料には3つの種類がある

M&Aにおける手数料は、利用するサービスによって体系が大きく異なります。まず全体像を整理しておきましょう。

1. プラットフォーム手数料

BATONZやTRANBIなどのマッチングサイトに支払う費用です。成約価格に対する一定割合(2〜5%)か、月額固定料金のいずれかが一般的。売り手側は基本的に無料で、買い手側に課金されるモデルがほとんどです。

2. 仲介手数料(FA手数料)

M&A仲介会社やFA(フィナンシャルアドバイザー)に支払う手数料。レーマン方式で計算されることが多く、取引金額5億円以下の部分に5%、5〜10億円の部分に4%といった階段式の料率が適用されます。最低手数料は500万〜2,000万円で設定されるのが一般的です。

3. DD・専門家費用

デューデリジェンス(DD)を税理士・弁護士に依頼する際の費用。プラットフォームや仲介とは別に発生します。相場は税務DD 20〜50万円、法務DD 30〜80万円程度。案件規模が大きくなれば費用も増加します。

この記事では主に「1. プラットフォーム手数料」に焦点を当てて解説します。

主要プラットフォームの手数料比較

プラットフォーム売り手買い手課金タイミング
BATONZ無料成約価格の2%(最低25万円)成約時
TRANBI無料月額3,980〜9,800円毎月(成約手数料なし)
M&Aクラウド無料月額掲載料(個別見積)毎月
M&Aサクシード無料成約価格の数%(要問合せ)成約時
スピードM&A無料成約価格の5%成約時

手数料体系の仕組みを深掘りする

成約価格連動型(BATONZ・スピードM&A)

成約価格に対して一定の割合を支払うモデル。分かりやすい反面、成約価格が上がるほど手数料も増加します。

BATONZの2%は業界内で低めの水準。スピードM&Aの5%は高めですが、プラットフォーム側のマッチング支援が手厚い点を考慮すると妥当とも言えます。

注意すべきは最低手数料の存在です。BATONZの最低手数料25万円は、成約価格250万円の案件で10%に相当します。100万円の案件なら25%。小規模案件ほど実質的な手数料率が跳ね上がる構造です。

月額定額型(TRANBI)

毎月定額を支払い、成約時の手数料は発生しないモデル。TRANBIのベーシックプランは月額3,980円、プレミアムプランは月額9,800円。

最大の利点は、成約価格がいくらであっても追加費用がかからないこと。成約価格3,000万円の案件をBATONZで買えば60万円、TRANBIなら月額費用だけで済みます。この差額は無視できません。

ただし月額費用は案件が見つかるまで毎月発生するため、成約までに時間がかかるとトータルコストが積み上がっていくリスクはあります。

ハイブリッド型(M&Aクラウド)

月額掲載料+成約時手数料の両方が発生するケースもあります。M&Aクラウドは料金体系を個別見積もりとしており、一律の比較が難しい部分があります。法人向けサービスのため、個人利用者は気にする必要はないでしょう。

成約価格別の実額シミュレーション

具体的な金額で各プラットフォームの費用を比較してみましょう。買い手側の費用を、探索期間6ヶ月と想定して計算します。

成約価格300万円の場合

プラットフォーム手数料月額(6ヶ月)合計(税別)
BATONZ25万円(最低手数料適用)0円25万円
TRANBI0円23,880円〜58,800円約2.4〜5.9万円
スピードM&A15万円0円15万円

この価格帯ではTRANBIの優位性が際立ちます。BATONZの25万円は成約価格の8.3%に相当し、割高感が否めません。

成約価格1,000万円の場合

プラットフォーム手数料月額(6ヶ月)合計(税別)
BATONZ20万円0円20万円
TRANBI0円23,880円〜58,800円約2.4〜5.9万円
スピードM&A50万円0円50万円

TRANBIが最安であることに変わりはありませんが、BATONZの20万円も許容範囲に入ってきます。案件数の多さを考慮すると、BATONZの手数料を払う価値は十分にあるでしょう。

成約価格5,000万円の場合

プラットフォーム手数料月額(6ヶ月)合計(税別)
BATONZ100万円0円100万円
TRANBI0円23,880円〜58,800円約2.4〜5.9万円
スピードM&A250万円0円250万円

5,000万円規模になると差額が顕著です。BATONZの100万円とTRANBIの約6万円で94万円の差。スピードM&Aとの差は244万円にもなります。

プラットフォーム手数料 vs 仲介会社手数料

参考までに、M&A仲介会社の手数料と比較してみます。成約価格1,000万円の案件の場合:

利用サービス手数料
TRANBI約6万円
BATONZ20万円
スピードM&A50万円
仲介会社A(最低手数料200万円)200万円
仲介会社B(最低手数料500万円)500万円

プラットフォームと仲介会社の手数料差は10倍以上。小規模M&Aでは、仲介会社を使う経済合理性がほとんどないことが分かります。

ただし仲介会社は案件の発掘・バリュエーション・交渉・DD手配まで一貫してサポートしてくれるため、サービス内容が根本的に異なります。「安いからプラットフォーム」と短絡的に判断するのではなく、自分でどこまで対応できるかを冷静に見極めてください。

手数料以外に発生するコスト

プラットフォームの手数料だけでM&Aの総費用は決まりません。以下の費用も予算に組み込んでおく必要があります。

費用項目相場
デューデリジェンス(税務DD)20〜50万円
デューデリジェンス(法務DD)30〜80万円
株式譲渡契約書の作成・レビュー10〜30万円
登記変更(役員変更等)5〜15万円
許認可の変更届出業種により異なる

成約価格1,000万円の案件であれば、プラットフォーム手数料を含めた総費用は80〜200万円程度を見込んでおくのが妥当です。

まとめ

M&Aプラットフォームの手数料は、サービスごとに「成約価格連動型」と「月額定額型」に大別されます。単純にコストだけで比較するならTRANBIが最安ですが、案件数やサポート体制を含めた総合的な判断が必要です。

最終的に重要なのは、「手数料を安くすること」ではなく「良い案件を適正な価格で買うこと」です。手数料を10万円節約するために、より良い案件を見逃すのでは本末転倒。予算の中でプラットフォーム手数料をどう位置づけるか、全体のコスト構造を把握した上で判断することをおすすめします。

よくある質問

M&Aプラットフォームと仲介会社の手数料の違いは?
プラットフォームの手数料は成約価格の2〜5%が相場です。一方、M&A仲介会社はレーマン方式(移動総資産ベースで5%〜)が一般的で、最低手数料も500万〜2,000万円に設定されていることが多いです。小規模案件ではプラットフォームの方が大幅に安くなります。
手数料が無料のプラットフォームはありますか?
売り手側は主要プラットフォーム全てで無料です。買い手側では、TRANBIが成約手数料ゼロ(月額制のみ)で利用できます。ただし完全無料のサービスはなく、何らかの費用は発生します。
手数料に消費税はかかりますか?
はい、プラットフォームの手数料には消費税(10%)が加算されます。BATONZの場合、成約価格1,000万円の2%は20万円ですが、税込では22万円になります。見積もり時は税込金額で計算することを推奨します。
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