スモールM&Aとは
スモールM&Aとは、中小企業や個人事業の売買を指す言葉です。明確な定義はありませんが、一般的に譲渡価格が数十万円〜数千万円規模の案件を指します。
大企業間のM&Aと異なり、買い手が**個人(サラリーマン・フリーランス)**であるケースも多いのが特徴です。近年はマッチングプラットフォームの普及により、専門家を介さなくても事業の売買が可能になりました。
なぜ今、スモールM&Aが注目されているのか
スモールM&Aが注目を集めている背景には、複数の社会的要因があります。
- 後継者不足: 中小企業の約6割が後継者未定。廃業予備軍は127万社にのぼる
- プラットフォームの登場: BATONZ、TRANBIなどにより、個人でも案件にアクセスしやすくなった
- 副業・複業の浸透: 事業買収を「キャリアの選択肢」として捉える会社員が増えている
- 低金利・融資環境: 日本政策金融公庫等の創業融資がM&Aにも適用されるケースがある
スモールM&Aの一般的な流れ
事業買収のプロセスは、大きく以下の7ステップで進みます。
- 目的・条件の明確化: なぜ事業を買いたいのか、予算・業種・地域を整理
- 案件探索: マッチングサイトで検索、またはFA・仲介に依頼
- ノンネームシート確認: 匿名の事業概要書を確認し、興味があればNDA締結
- 企業概要書(IM)の確認: 詳細な財務・事業情報を入手
- トップ面談: 売り手オーナーと直接面談し、事業の実態を確認
- 基本合意書(LOI)の締結: 価格・条件の大枠を合意
- デューデリジェンス → 最終契約 → クロージング: 詳細調査後、最終的な契約を締結
費用相場と手数料
スモールM&Aにかかる主な費用は以下の通りです。
| 項目 | 相場 |
|---|---|
| 譲渡価格 | 数十万〜数千万円 |
| 仲介手数料 | 成約価格の5〜10%(最低手数料100〜200万円の場合あり) |
| DD費用 | 30〜100万円(税務・法務) |
| 登記・許認可変更 | 10〜30万円 |
| PF手数料 | 成約価格の2〜5%(買い手側) |
プラットフォームを使った直接交渉であれば、仲介手数料を大幅に抑えられます。ただし、リスク判断やバリュエーションは自己責任になるため、少なくとも税理士のチェックは受けておくべきです。
失敗しないためのポイント
スモールM&Aで特に注意すべき点をまとめます。
- 属人性の確認: 売り手オーナー個人のスキルや人脈に依存していないか
- 簿外債務のチェック: 未払い残業代、連帯保証、訴訟リスクなど
- 競業避止義務: 売り手が同業で再起業しないかの取り決め
- 従業員の引き継ぎ: 雇用条件の変更有無、キーマンの退職リスク
- 許認可の承継: 業種によっては許認可の再取得が必要
まとめ
スモールM&Aは、起業のリスクを抑えながら事業を持つための有力な選択肢です。特に、すでに収益基盤のある事業を引き継ぐことで、ゼロからの立ち上げに比べて成功確率を高められます。
一方で、財務・法務の知識が求められる場面も多いため、信頼できる専門家のサポートを受けながら進めることが大切です。